
「先生、子どもが夢中になるくらい面白かったですよ!」 そんな嬉しい声を生徒さんのお母さまから伺い、私もさっそく展覧会へ足を運びました。
現在、六本木の森美術館では「2025年大阪・関西万博」の会場デザインプロデューサーを務める建築家・藤本壮介さんの大規模個展が開催されています。
会場に入ると、100点以上の建築模型やラフスケッチが所狭しと並び、藤本さんの頭の中に広がるアイデアがまるで空間ごと飛び出してきたよう。建築という枠を超えた、自由でのびやかな発想に圧倒されました。
藤本さんは、幼少期に過ごした北海道の《雑木林》と、東京都市部の《道》に共通するものを見出し、それを建築の根底に据えているそうです。インタビューで語られていたその視点がとても興味深く、東京の道が真っすぐでない理由にも思いを馳せました。かつてのあぜ道の名残や、人口密度の高さによる都市計画の難しさ—そんな背景が、藤本さんの建築に自然な「歪み」として取り込まれているのです。
そして、大阪万博の象徴ともいえる「大屋根リング」の設計には、藤本さんの覚悟と想いが込められていました。昭和の万博では、丹下健三さんが会場建築を手がけ、岡本太郎さんが《命》をテーマに太陽の塔を制作しました。令和の万博では、藤本さんが《命》を象徴する円環を設計し、岡本太郎さんの遺志を受け継ぐような構成になっているそうです。
連日報道されている大阪万博も、いよいよ残りひと月。展覧会を観た後で改めて「リング」を見れば、その奥に込められた想いがより深く感じられるかもしれません。
建築の世界は、子どもたちの創造力や感性にも響くものがあります。ぜひご家族で訪れてみてはいかがでしょうか。
- 藤本壮介の建築:原初・未来・森
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【会場】森美術館(東京・六本木)
【開催日時】
2025年7月2日(水)~11月9日(日)10:00-22:00
【公式HP】こちら

