JR新宿駅からほど近くにある東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館はゴッホの『ひまわり』の収蔵で有名ですね。
2020年にニューアルし、高層階からその『ひまわり』が併設された新しいSOMPO美術館に移され、明るい採光が心地よいアートスポットになりました。

現在こちらで開催されている『北欧の神秘(THE MAGIC NORTH)』展はスウェーデン国立美術館とフィンランド国立アテネウム美術館、ノルウェー国立美術館の3館から貸し出された作品で構成されています。
本邦初、北欧の名だたる美術館から選び抜かれた、貴重なコレクション70点が日本国内で観られる貴重な展覧会です。

会場には19世紀を中心に北欧の澄んだ冷たい空気、短い夏の美しい陽光を感じる風景画が目白押しです。
そこには人だけではなくトロールや妖精が生き生きと描かれたものも。
自然の畏怖から育まれた民間伝承の物語をもとにした絵画はどれも油彩で描かれており、その重厚な魅力にひきこまれます。

また写真が出始めた時期なので、トレースを油彩に落とし込む試みをしているような作品もありました。
『叫び』で有名なムンクの風景画や、その頃始まったフランスからの印象派の影響も垣間見え、北欧の画家たちの息吹と変遷が感じられますね。

北欧に行かずとも、会場を出る時にはその雰囲気を存分に堪能したような気分に浸れました。
大人は童心に帰り、小さなお子様がワクワクしそうな、心温まる作品に出会えます。

北欧の神秘(THE MAGIC NORTH)ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』展
【会場】SOMPO美術館(新宿)
【開催日時】3月23日(土)-6月9日(日)
【休館】月曜(ただし4/29、5/6は開館)
【公式HP】こちら