
19世紀末に生まれ、「形而上絵画」の礎を創ったイタリアの巨匠ジョルジョ・デ・キリコ。
彼の「形而上絵画」は形にならない、目に見える物質の奥にある深淵を描く芸術様式です。
後のシュルレアリスムで活躍したマグリットやサルバトール・ダリが多大な影響を受けたと伝えられています。
顔のないマネキンが置かれる空間は曇天。
なのにコントラストの高い影はあたかも晴天の正午さながらに床に落ちているのです。
キリコの描く世界は人々が生活を営む現実と乖離した・・・・不気味な静けさに満ちています。
近年進化してるAI自動生成画像は光源計算までやってのけるため、画面の整合が正確で写真レベルに均整が取れています。
だからこそこのジョルジョ・デ・キリコのような世界を描こうとしても、独特の<不条理な美>を創り出すのにどう崩せば良いかの判断は容易ではないでしょう。
キリコならではのセンスで消失点を意図的にずらし、左右で不均衡な遠近構造がパラレル的な要素を創り出しているのです。
ここまでイマジネーションを突き詰め到達した作品はAIには追い付けそうにない、そう感じる展覧会でした。
- デ・キリコ展
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【会場】東京都美術館(上野駅・東京)
【開催日時】2024年27日(土)~8月29日(木)
【公式HP】こちら
