麻布台ヒルズギャラリー開館記念『オラファー・エリアソン展』-相互に繋がりあう瞬間が協和する周期-が3月31日まで開催されています。
オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)は今ドイツで活躍している現代アーティストで、昨年の国立新美術館のテート美術館展にも出品されていましたね。
こちらのギャラリーでの展示は期間限定ですが、竣工した麻布台ヒルズ森タワーのエントランスホールにも彼の巨大な彫刻作品が飾られています。

吹き抜けのホールに吊り下げられた、11面体で構成される空間充填多面体。
素材の90%は亜鉛です。

実はこちら、廃棄物を焼却する際に生成される副産物でした。
従来の過程では空気中に放出されていたものを浄化するべく、近年になって亜鉛の抽出に成功する技術が出来たのです。

本来は土壌の中にある筈のものが、産業革命以降の世界では大量に飛散するようになっていたのです。
集まるとこんな重い金属なのに、空中を漂っていたのかと思うと驚愕ですね。

私たちは同じ「地球」という空間を共有しています。
空間は多元的で、すべての人に同じ「今」はありません。
また、多元性を受け入れることは多様性を受け入れることでもあります。

そんな人類共通の願いとは「地球の存続」に他ならないのです。

ギャラリーに入るまで何気なく見ていたオラファー・エリアソンの幾何学的な彫刻群。
観終わってからホールに戻ると、目に映る景色は同じなのに自分にとっては異質な印象になってました。

グローバルな問題を含んだ制作意図、さすが世界を牽引するアーティストの作品でした。


▲ギャラリーの展示作品は15点なのでお子様はちょっと短く感じるかも知れません。
19世紀に開発されたドローイングマシーン<終わりなき研究>を体験すると、より理解が深まりそうです♪