フィリップ・パレーノはフランスの現代アートを牽引する作家です。
ポーラ美術館で約半年にわたり開催されているこの展覧会では、科学技術を取り入れた作品が展示されていました。
代表作の《マリリン》では自動演奏ピアノが使用されており、プログラム化された独自の機材を使用した映像と音響が楽しめます。
また、水族館さながらの魚がたゆたうヘリウムガスを使ったバルーンなど、視覚に留まらない<観客の体験>に重きをおいたアートは奇想天外で、思わず目を見開いてしまいますね。

《マリリン》は興行的な視点を意識し、ハリウッドのオールドムービーを土台にしたモチーフが斬新でした。
外から入る人工的な斜陽を再現したライトは、その映画を知らない人にも不穏な空気を感じさせます。
大人は舞台装置のような芸術のバックボーンをあれこれ類推してしまいますが、対して赤ちゃんの反応はストレート。
泣き出していました・・・・うん、コワイよね;ちょっとわかる。

《私の部屋は金魚鉢》は、お魚のバルーンアートの部屋で、まるで自分たちが小さくなり水槽に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。
子供たちはその可愛さに興奮し、触って遊んでいました♪

フロアごとに真逆の様相を呈した題材に、作家の陰と陽が感じられます。
家族連れには少し難しい内容のものもありましたが、現代アートの良くも悪くも印象に残る特性が、言語を介さずに心に届くのがさすがですね。

また、ポーラ美術館の素晴らしい印象派作品群に新しいラインナップが加わり、美術館の庭の紅葉と相まって心豊かになりました。

「Philipe Parreno Places and Spaces -フィリップ・パレーノ:この場所、あの空-」
【会場】ポーラ美術館(神奈川県)
【開催日時】2024年6月8日(土)~12月1日(日)
【休館】会期中無休
【公式HP】こちら